新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日常的に消毒剤や除菌剤などを使用する状況が続いています。今年3月、保育園に通う女児(5歳)が手指消毒のためのアルコール消毒液をなめて急性アルコール中毒となり、救急搬送された事例が発生し、厚生労働省より注意喚起がありました。
保育所だけでなく、日常においても同様の事故が発生している旨、消費者庁・国民生活センター等に寄せられています。
<誤飲の事故>
「子どもが除菌剤のボトルと蓋を手にもって苦しそうな顔をしていた。飲んだ量はわからなかったが、通院が必要となった。ボトルは目につかない場所にあったが、子どもの目の高さ位で手が届いた。(1歳児)」
「子どもが抱きついた際、口からアルコール臭がした。携帯用の除菌アルコールジェルが30ml程度減っていたため、誤飲を疑い救急外来を受診した。(2歳児)」
→成分や量によっては、ひどい中毒症状が出ることがあります。病院を受診するかなど判断に迷った場合、中毒110番に相談することもできます。
<眼に入る事故>
「店舗のスタンド型アルコール消毒剤で保護者が消毒した際、近くにいた子どもが突然『目が痛い』と言った。(2歳児)」
「買い物中に店舗の噴射状のアルコール消毒剤が顔面にかかった。まぶたや頬が赤くなったので、店舗と帰宅後に水で顔を洗い、病院を受診した。(2歳児)」
→店舗に設置されている物は、子どもの身長によっては顔の高さで噴霧されることがあります。目に入ると刺激があり、皮膚の弱い部分に付着すると炎症を起こすこともあります。眼に入った場合は、眼をこすらないように注意して、直ちに洗眼してください。
誤飲や事故を防ぐため、以下の点に注意して子どもにとって安全な環境を作りましょう。
・ご家庭では、消毒液や除菌剤は子どもの手の届かないところに保管しましょう。
・携帯用の容器で持ち歩く場合は、幼い子どもが簡単に取り出せないように、かばんの中にしまうなど工夫しましょう。
・設置型の消毒液ディスペンサーには、子どもが近づかないように注意しましょう。特に自動で噴霧されるタイプのものは子どもが興味本位で触らないように言い聞かせましょう。使用する際は、そばに子どもがいないか確認し、噴射方向を確認してから使用しましょう。
(2022年5月 消費者庁ホームページより注意喚起)